遠藤知巳編『フラット・カルチャー』せりか書房

「【ネット言論】フラットな板と『ウヨサヨ』ゲーム」(p361-368)を執筆しました。
休職中の職場から転送して貰って、今日届きました。編集大変でしたでしょうね〜お疲れ様ですー、と迷惑をかけた一人が言います。来年度の授業で使う予定。

[2010/1/9追記] 【編集大変でしたでしょうね〜】解説:
たくさんの執筆者たちが求められたのは、担当項目に関する教科書的な整理ではありませんでした。私なりに解釈しますると、その対象を問題化することの社会学的な意味を、どこか本質論的な水準で意識すること、特に、ある対象を文化現象・社会現象として浮かび上がらせるのに有効な「方法」が、必ずその対象の特性に内在しているはずで、それを意識しながら取り組みなさいよ、ということでした。なので、汎用性の高い文化分析のツールのようなものを求めてこの本を手に取る人はがっかりするかも知れません。だから、ここにあるのはそれぞれ対象の特性によって特化させられた「職人技」の数々(&よりにもよってそういう対象に論者が引き寄せられてしまうことも含めて)なのだけれども、それがずらっと並ぶことのお得感というのは確実にあるはずなんです。似た形式を取る書物で思いつくのは『社会学の知33』でしたが、今回のは各項目が少し長い。それだと切り口の選択に関する試案の提示や素描だけではだめで、何らかのかたちでそれに「手をつけ」なければならないのもちょっと大変だった部分はず。そして編者は、編者自身の書きたいこと/書けることとは別に、それぞれの書き手が何をどのように取り出そうとしているのかについて、いちいち内在的につきあった(はずな)のでした・・・。

フラット・カルチャー―現代日本の社会学

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社会学の知33 (ハンドブック・シリーズ)

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