「戦後社会と二つの戦争体験」浜日出夫編『戦後日本における市民意識の形成−戦争体験の世代間継承 』(慶應義塾大学出版会)

2006年11月に慶応で行われたCOEシンポジウム多文化多世代交差世界の政治社会秩序形成―慶應義塾大学21COE-CCCの報告を元に書いたものです。当日は三田祭が開かれてました。
内容的には、2006年2月に出た拙著『戦争体験の社会学』(弘文堂)戦争体験の社会学―「兵士」という文体の補遺(その2)といったところ。近年では「兵士」の「戦場体験」は、「戦争の記憶」のなかでどっちかというと周辺化されてるということ、でもよく考えてみたら「戦場」を設定する戦争のありよう(とそれへの想像力)自体が変わってきているわけで、ということで、その「歴史」についてのお話。
まだまだ不満が残っているし、この問題について厚く書けているわけではないのですが(それなりには書けているはずだけれども)、昨夏の半分はこれで潰れたという代物です。
各節のタイトルは次のような感じです。

第1章 戦後社会と二つの戦争体験
 Ⅰ 「兵士」と「市民」―「戦争体験」の定義をめぐって
 Ⅱ 拡大する「戦場」
 Ⅲ 「兵士の戦争体験」の孤立
 Ⅳ 「銃後」の歴史社会学
 Ⅴ いま「戦争体験」「戦場体験」について考えることの意味とは?